へんな本、へんな映画

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『私の家では何も起こらない』/恩田陸~積み重なるキュートなおばけたち~

いつも心にラブと文化を!
どうも、愛☆ここあです~


本日の本『私の家では何も起こらない』(恩田陸)
ホラー★★★★☆
ほのぼの★★★☆☆
恩田陸感★★★★★


殺人事件の本だと思って読んだんですよ。私、怖すぎるホラーはトイレのドア全開にしないとトイレ行けなくなっちゃうので嫌で。
恩田陸ならよく読んでるし今人が死ぬ本読みたいし特にあらすじも見ず読み始めました。


そしたら、まあ怖い。ホラー苦手な人は読まないか時間のある昼間に一気に読むことをおすすめします。というのも、中間部分はホラーっぽくて怖いのですが最後の方はいつもの恩田節という感じでなんとなーくあったかくぬるっと終わるのでそんなに怖くなくなっちゃうんですよね。なので最後まで読みさえすれば大丈夫です。トイレのドアも閉めれます。


恩田陸の本ってあらすじが説明しにくいというか読んでみてくださいって言いたくなっちゃうんですが、この本はまだ分かりやすい気がします。

女流作家が引っ越してきた、昔彼女の叔母が住んでいたという丘の上のひとつのお家で長い歴史の中起きてきた幽霊のお話が短編のようにたくさん出てきます。蓄積されたおばけ。積み重なったおばけたちはどこにいくのか。人が死んだ場所っていうけど地球の歴史は長いのに人が死んでない場所なんてあるのだろうか。

おばけ、怖くないよ~ってお話でした。
おばけ、大丈夫だよ~。おばけ、優しいよ~。




この本の怖さの理由はその文章にあって、同じく恩田陸の『6番目の小夜子』の文化祭の演劇のシーン。あそこで出てきた捲し立てるような読者の余裕を無くして興奮させるような語り口。あれと似た語り口がこの本にも出てきます。怖いけど恩田陸のホラーな文才が生き生きしていて素敵です。



ちなみにですが、私の通うとある場所は、出ます。
誰もいない時間に女の子の声や着信音が聞こえたり階段を登ってくる音が聞こえたり。きっと「蓄積された」彼らが私たちと同じように普通に生活してるんでしょうね。


まったね~~!